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新潟市の不動産売却 「お隣さんと揉めたくない…」境界トラブルを解決し、安心して売るための全知識

不動産売却

富澤 法和

筆者 富澤 法和

不動産キャリア7年

にいがたの不動産は新潟の富動産を目指します!
私たちは「負動産」という言葉が好きではありません。
にいがたの不動産を通して不動産を売るも買うも「富動産」であってほしいと願っています。


「長年住んだこの家を、いよいよ売却しようか」

そう考えたとき、多くの方がリフォームや片付け、査定額のことなどを思い浮かべるでしょう。
しかし、それらと同じくらい、いえ、時としてそれ以上に重要になるのが「土地の境界」の問題です。

「うちはお隣さんと仲が良いから大丈夫」
「昔からここが境目だって、親の代から決まっているし」

そう思っている方ほど、実は注意が必要です。
長年の信頼関係や「暗黙の了解」が、いざ売却という第三者が関わる場面になった途端、深刻なトラブルの火種に変わることがあるのです。

不動産を売却する売主には、買主に対して境界を明確にし、トラブルのない状態で引き渡す義務があります。
もし境界が曖昧なまま売却してしまうと、将来、買主が隣地の所有者とトラブルになり、最悪の場合、売主であるあなたに損害賠償が請求される可能性もゼロではありません。

こんにちは。
新潟の不動産売買専門店「にいがたの不動産」の富澤です!

この記事では、不動産売却を考えているあなたが、避けては通れない「境界トラブル」について、その原因から具体的な事例、そして円満な解決方法までを、初めての方にも分かりやすく徹底的に解説します。

大切な資産を、気持ちよく次の世代に引き継ぐために、ぜひ最後までお付き合いください。



そもそも「土地の境界」とは? あなたの財産の境界線



不動産売買の話になると「境界(きょうかい・さかい)」という言葉が頻繁に出てきます。
まずはこの基本から押さえましょう。

境界には2つの意味がある

土地の境界には、実は2種類の意味があります。

1.  筆界(ひっかい):
公法上の境界とも呼ばれます。土地が登記された際に定められた、公的な境界線のことです。
これは、当事者同士の合意で変更することはできません。法務局に備え付けられている公図(地図に準ずる図面)などで示されています。

2.  所有権界(しょゆうけんかい):
私法上の境界とも呼ばれます。隣地所有者との間で「ここからここまでが私の土地ですね」と認識されている、所有権の範囲を示す境界のことです。

通常、この「筆界」と「所有権界」は一致しているはずです。
しかし、長年の間に塀を作り直したり、土地の一部を売買したりした結果、両者にズレが生じているケースがあり、これがトラブルの原因になります。

境界を示す「境界標」を確認しよう

あなたの土地の境界は、「境界標(きょうかいひょう)」という目印によって示されています。
まずは、ご自身の土地の四隅や曲がり角に、この境界標がきちんと設置されているか確認してみましょう。

コンクリート杭:最も一般的な境界標です。
金属標(プレート):金属製のプレートで、コンクリートブロック上などに埋め込まれています。
金属鋲:矢印などが刻まれた小さな鋲です。

これらの境界標がなかったり、工事などで動いてしまったり、誰が見ても境界がどこか分からない状態になっている場合は、トラブルの危険信号です。

なぜ起こる?よくある境界トラブルの3つの原因



では、なぜ境界をめぐるトラブルは起きてしまうのでしょうか。その主な原因は、以下の3つに集約されます。

原因1:親の代からの「暗黙の了解」と口約束

最も多いのがこのケースです。「お隣の鈴木さんとは先代からの付き合いで、この塀が境界だってことでずっとやってきた」というような、長年の信頼関係に基づく「暗黙の了解」です。

しかし、あなたが土地を売却すると、買主は鈴木さんと面識のない第三者です。
また、鈴木さんが土地を売却したり、亡くなってお子さんが相続したりすれば、相手も変わります。
そうなった時、「口約束」や「暗黙の了解」は何の効力も持ちません。

新しい所有者から「正式な境界はどこですか?」と問われた際に、客観的な証拠がなければ、話がこじれてしまうのです。

原因2:越境物の存在(塀・樹木・給排水管など)

越境(えっきょう)とは、隣の土地との境界線を越えて、建物の一部や所有物がはみ出してしまっている状態を指します。

ブロック塀やフェンス:
塀の中心が境界だと思われがちですが、実はどちらかの土地の敷地内に建っていることが多く、勘違いの原因になります。

建物の庇(ひさし)や屋根:
数センチのはみ出しでも、越境は越境です。

庭木の枝や根:
成長した木の枝や地下の根が、知らぬ間に隣の敷地に入り込んでいるケースです。
落ち葉の掃除や、根が建物の基礎に影響を与えるなどのトラブルに発展します。

給排水管・ガス管:
地中に埋まっているため気づきにくいですが、隣地の地下を通って引き込まれていることがあります。

これらの越境物は、お互いが納得していれば問題にならないかもしれませんが、売却時にはすべて清算し、解消しておくのが原則です。

原因3:古い測量図や資料の不備

数十年前の古い測量図は、現在の測量技術に比べて精度が低く、現況とズレが生じていることがあります。

また、そもそも法務局にある公図自体が、明治時代の地租改正の際に作られたものを元にしている場合があり、非常に不正確なケースも少なくありません。

いざ売却しようとして、改めて測量してみたら「登記簿上の面積と実際の面積が違った」「公図上の土地の形と、実際の形が違う」ということが発覚し、隣地との調整が必要になるのです。

【本当にあった怖い話】境界トラブルのリアルな実例集




ここでは、実際に起こった境界トラブルの事例をいくつかご紹介します。
これらは決して他人事ではありません。

事例1:「塀の中心が境界」だと思っていたら…数センチのズレで売却がストップ

Aさんは、父親から相続した実家を売却することにしました。
隣地との間にはブロック塀があり、Aさんも隣地のBさんも、長年「塀の中心が境界線だ」と信じて疑いませんでした。

しかし、売却にあたって買主から「確定測量」を求められ、土地家屋調査士に測量を依頼。その結果、なんとブロック塀はすべてAさんの敷地内に立っており、実際の境界線は塀の外側からさらに10cm隣地側にあることが判明したのです。

つまり、Bさんは気づかないうちに10cm分、Aさんの土地にはみ出して家庭菜園などを作っていたことになります。

Bさんにとっては「今さらそんなことを言われても困る」という話です。
Aさんが売却を急いでいることを知ると、「越境を認める代わりにハンコ代を…」と金銭を要求される事態に。
結局、売買契約は白紙に戻り、AさんはBさんとの交渉に長い時間を費やすことになってしまいました。

事例2:良かれと思って植えた庭木が…世代交代で「越境している」とクレームに

Cさんの家の庭には、見事な柿の木がありました。
秋になるとたくさんの実をつけ、お隣のDさんにもおすそ分けするのが毎年の恒例で、良好な関係を築いていました。
木の枝の一部がDさんの敷地にはみ出していましたが、Dさんも「日陰になって涼しいから」と気にしていない様子でした。

数年後、Dさんが亡くなり、息子さん夫婦が引っ越してきました。
するとある日、息子さんから「お宅の柿の木の枝が越境してきて、落ち葉の掃除が大変だ。車に実が落ちて汚れるし、どうにかしてほしい」と強い口調で言われてしまいました。

Cさんは慌てて枝を切りましたが、これを機に関係はギクシャク。
家の売却を考えていたCさんでしたが、新しい買主が隣人とこのような関係になることを懸念し、売却活動は難航しました。

※2023年4月の民法改正により、越境された側は、催告したにもかかわらず相手が切除しない場合など、一定の条件下で自ら枝を切り取ることができるようになりました。
ルールが明確化された分、以前より権利主張がされやすくなったとも言えます。

事例3:見えない恐怖!隣家の水道管が地下を越境していたケース

Eさんが中古住宅を購入して数年後、水道管の老朽化で水漏れが発生。
修理業者に依頼して地面を掘り起こしたところ、驚愕の事実が判明します。
なんと、隣の家の水道管が、Eさんの土地の真下を通って引き込まれていたのです。

前の所有者同士がどのような経緯で合意したのかは不明ですが、書面などは一切ありません。
隣家の水道管を修理・交換するためには、Eさんの土地を掘り起こす必要があり、その費用負担や今後のメンテナンスをどうするかで大揉めに。
Eさんは「こんな重要なことを説明せずに売却した前の売主は、契約不適合責任を負うべきだ」と、元売主を巻き込んでの大きなトラブルに発展してしまいました。

事例4:「お互い様」で使っていた私道、相続を機に通行料を請求された!

複数の家が面している私道。これまで、近隣住民で「お互い様」として、特に取り決めもなく通行・利用していました。しかし、その私道の一部の所有者が亡くなり、土地を相続した息子が「この道路は父の土地だ。通行したいなら通行料を支払ってほしい」と要求してきたのです。

他の住民にとっては、まさに寝耳に水。
この私道を通らなければ公道に出られない家もあり、死活問題です。
結局、裁判にまで発展し、解決までに数年と多額の費用がかかってしまいました。売却どころの話ではありません。

トラブル解決の切り札!「確定測量」とは?



ここまで読んで、「うちは大丈夫だろうか…」と不安になった方も多いかもしれません。
しかし、ご安心ください。これらのトラブルを未然に防ぎ、解決するための強力な手段があります。それが「確定測量(かくていそくりょう)」です。

確定測量で何が分かるのか?

確定測量とは、土地家屋調査士という国家資格を持つ専門家が、あなたの土地を正確に測量し、隣接するすべての土地の所有者と現地で立ち会いのもと、境界を確認・合意し、法的な効力を持つ「確定測量図」を作成する作業のことです。

この測量を行うことで、

〇土地の正確な面積、形状、寸法が確定する
〇全ての境界標が正しい位置に設置される
〇隣地所有者全員が境界に合意した証拠(筆界確認書)が手に入る

という、絶大なメリットがあります。

確定測量図と筆界確認書があれば、それは「公的に認められた、争いのない境界」の証明書になります。
これを買主に引き渡すことで、買主は安心して土地を購入でき、売主であるあなたも、将来的なトラブルのリスクから完全に解放されるのです。

確定測量の流れと期間・費用

【基本的な流れ】

1.  土地家屋調査士に依頼:まずは専門家を探し、相談します。
2.  資料調査:法務局や役所で、公図、登記簿、過去の測量図などを調査します。
3.  現況測量:現地で土地の形状や境界標の有無などを仮に測量します。
4.  隣地所有者への挨拶と立ち会い依頼:土地家屋調査士が、隣接地の所有者(道路や水路を管理する役所も含む)に連絡を取り、境界確認の立ち会いを依頼します。
5.  境界の立ち会い:関係者全員が現地に集まり、土地家屋調査士が示した境界案を確認し、合意します。
6.  筆界確認書の取り交わし:合意した境界について、全員が署名・捺印した「筆界確認書」を作成します。
7.  境界標の設置:合意した点に、永続的な境界標を埋設します。
8.  確定測量図の作成・納品:すべての工程を経て、最終的な確定測量図が完成します。

【期間】
スムーズに進んだ場合でも、3ヶ月~4ヶ月程度かかるのが一般的です。
隣地所有者が非協力的だったり、遠方に住んでいたりすると、半年以上かかることもあります。

【費用】
土地の形状や面積、隣接地の数によって大きく変動しますが、一般的な住宅地で35万円~80万円程度が目安となります。決して安い金額ではありませんが、トラブルが起きて裁判になった場合の費用や労力、そして売却機会の損失を考えれば、必要不可欠な投資と言えるでしょう。

円満解決へのステップと心構え



もし、境界について隣人と意見が食い違ってしまった場合、どのように対処すれば良いのでしょうか。
感情的になるのは禁物です。

ステップ1:まずは専門家(土地家屋調査士)に相談する

当事者同士で話し合う前に、必ず土地家屋調査士に相談しましょう。
客観的な資料と専門的な知見から、現状を正確に把握し、法的に正しい主張の根拠を整理してくれます。
感情論ではなく、事実に基づいて話し合いを進める準備をすることが重要です。

ステップ2:隣地所有者への丁寧な説明と協力依頼

専門家を交え、隣地所有者へ冷静に説明を行います。
「売却のために、財産の範囲を明確にして、お互いに安心して暮らせるようにしたい」という前向きな姿勢で臨むことが大切です。
決して相手を責めたり、高圧的な態度を取ったりしてはいけません。
多くの場合、専門家が間に入ることで、スムーズに理解を得られます。

ステップ3:話し合いで解決しない場合はADR(裁判外紛争解決手続)も

どうしても話し合いで解決しない場合は、「筆界特定制度」「境界問題相談センター(ADR)」といった、裁判以外の紛争解決手続きを利用する選択肢もあります。
これらは、裁判に比べて費用が安く、手続きも迅速に進むというメリットがあります。
土地家屋調査士や弁護士が間に入り、中立的な立場で和解案を提示してくれます。

買主の視点を知る - 安心して購入してもらうために






最後に、買主がどのような視点で境界を見ているかを知っておきましょう。
これは、売主として何を備えるべきかを理解する上で非常に重要です。

買主がチェックするポイント

確定測量図(筆界確認書)の有無:
不動産のプロである仲介会社や、慎重な買主は、まずこの書類があるかどうかを確認します。
これがない物件は、トラブルを内包している可能性を疑われ、敬遠されがちです。

境界標の有無と状態:
現地案内(内覧)の際に、境界標がきちんと全部あるか、分かりやすい状態かをチェックします。

越境物の有無と「覚書」:
越境物がある場合、それがどのような経緯で存在し、将来的にどうするのかが問題になります。

「越境に関する覚書」の重要性

どうしても物理的に解消が難しい越境物(例えば、建物の構造上どうしてもはみ出してしまう部分など)がある場合は、「越境に関する覚書」を隣地所有者と取り交わしておく必要があります。

この覚書には、「お互いに越境していることを確認・承認します」「将来、建て替えなどをする際には、越境状態を解消します」といった内容を明記し、両者が署名・捺印します。これがあれば、買主も将来の見通しが立つため、安心して購入することができます。

境界の明確化は、売主の誠意であり買主への最大の思いやり



不動産売却における境界トラブルは、長年の人間関係や曖昧にしてきた過去の清算を迫られる、非常にデリケートな問題です。

しかし、これを解決する「確定測量」は、単なる面倒な手続きではありません。それは、あなたの貴重な財産の価値を正しく確定させ、守るための重要な作業です。

そして何より、あなたの不動産を購入してくれる買主が、将来にわたって安心して暮らせるようにするための、売主としての最大の誠意であり、思いやりなのです。

売却を決めたら、まずは専門家である土地家屋調査士に相談し、「土地の健康診断」を受けるつもりで、境界の状況を確認することから始めましょう。

それが、すべての関係者にとって円満で、後味の良い不動産取引を実現するための、最も確実な第一歩となるはずです。




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