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~使い道のない土地を手放せる新制度~「相続土地国庫帰属制度」とは?

不動産売却

長良 昴輝

筆者 長良 昴輝

不動産キャリア8年





こんにちは。

新潟の不動産売買専門店「にいがたの不動産」の長良です。


皆さんは、「相続土地国庫帰属制度」をご存じでしょうか?

相続や遺贈で取得した使い道のない土地を、条件付きで国に引き取ってもらえる新しい制度です。


「空き家」や「使用していない土地」が問題になっている昨今、将来の負担を減らす現実的な選択肢として注目されています。


この記事では、制度の仕組みや申請方法、費用、注意点をわかりやすく解説します。



変わる土地の価値:「資産」から「負担」へ



かつては「土地=財産」と考えられていましたが、今では以下のような土地が負債となるケースも増えています。

 

・雑草が伸び放題の空き地

・管理ができない遠方の山林

・固定資産税や維持費だけがかかる土地

・将来使う予定のない土地

 

所有しているだけでコストと手間がかかり、使い道がない土地は、資産とは言い切れなくなってきました。

 

新潟市も他人事ではありません。


こうした問題は、過疎地や山間部に限らず、新潟市内の郊外でも起きています。


「土地を持つことがリスクになる」時代は、すでに私たちの身近に来ているのです。

 

注目される「相続土地国庫帰属制度」とは?


 

2023年に始まったこの制度は、「相続や遺贈で取得した不要な土地」を国に引き取ってもらえる制度です。
一定の条件を満たせば、所有者の負担を大幅に軽減できます。

 

先日、この制度について学ぶ機会がありました。

 

「いらない土地を手放したい」

 

と感じている方にとって、とても現実的で有効な制度であると強く感じました。

 

私たちはこれからも、このような制度や法律、相続や不動産の課題について日々学び続けていきます。

 

制度の背景:東日本大震災が契機に



2011年の東日本大震災では、所有者不明の土地が復旧を妨げました。
この経験をもとに、国会で議論され、不要な土地を国が引き取る仕組みとして制度が創設されました。

 

◆制度の概要と利用方法

対象者
相続または遺贈で土地を取得した方(自己購入の土地は対象外)

 

手続きの流れ

1.法務局に申請(1筆につき14,000円)

2.形式審査実質審査

2.承認後、負担金を納付(約1020万円)

4.国に土地が正式帰属=手放し完了

 

Q&Aでわかる安心ポイント



Q1. 手続き期間は?


8
10カ月程度。早めの行動がカギです。


Q2. どんな土地でもOK


条件あり。以下は不可となります。


・建物がある土地(空き家含む)

・他人が使用している土地(借地・占有)

・管理困難な崖地

・境界トラブルや汚染地など


Q3. 隣地の人との交渉は必要?


不要。法務局が通知・対応します。


Q4. 測量や境界確定は必要?


原則不要。登記情報に基づき審査されます。


Q5. 費用はどのくらい?


申請手数料:1筆あたり14,000円(返金なし)

負担金:約10~20万円(※内容によって変動あり)


固定資産税や管理費と比較すれば、現実的なコストです。

 

高い承認率:申請件数と承認率に見る「必要とされている制度」



20256月現在、申請件数は約14,000
そのうちの94.98%が承認されています。


つまり、国が本気でこの制度を運用しており、条件さえ合えば高確率で土地を手放せることを意味しています。

 

相続登記の前に!タイミングが大切

この制度は「相続や遺贈で取得した土地」が対象です。
登記を済ませる前に制度の利用を検討しましょう。

 

まとめ|「不動産を持たない選択肢」も家族を守る知恵



これまで「土地=財産」とされてきた価値観が変わりつつあります。


郊外や遠方にある管理の難しい土地は、固定資産税や草刈りなどの維持費ばかりがかかり、いまや資産ではなく負債となるケースが珍しくありません。


そんな中、相続や遺贈によって取得した不要な土地を国に引き取ってもらえる「相続土地国庫帰属制度」2023年にスタートしました。


申請のハードルは比較的低く、測量や隣地との交渉も原則不要で、費用も現実的。

審査を通過すれば、高い確率で土地を手放すことができます。


この制度は、将来の相続人に不要な土地の負担を残さないための、新しい選択肢です。


「土地を持ち続けること」が家族にとってリスクになる時代。
だからこそ、「不動産を持たない」という判断も、立派な家族を守る知恵だと言えるでしょう。


相続や不要な土地に関する不安があれば、制度を知ることから始めてください。
そして、悩みをひとりで抱えず、私たちのような専門家にぜひご相談ください。


あなたの「どうしよう」に、私たちは真剣に向き合います。

 

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