不動産売却の税金について徹底解説!失敗しない税金の完全ガイド|計算方法や節税対策を解説します。
「不動産を売却すると税金がどれくらいかかるのか不安…」
とお悩みではありませんか?
不動産を売却すると、売却代金がすべて手元に残るわけではありません。不動産売却には譲渡所得税、住民税、印紙税、登録免許税などの税金がかかります。
それぞれの税金の計算方法や節税対策を知らないと、思わぬ税負担が発生し、手元に残る金額が大きく減ってしまうこともあります。
こんにちは。
“負動産”を“富動産”に変えたい富澤です!
私はこれまで、多くのお客様の不動産売却をサポートしてきました。その中で、「税金の仕組みがわからず、いくら手元に残るのか計算できない」というご相談を何度も受けてきました。不動産売却で得る収益は、お客様の大切な資産を手放すことで受け取る恩恵です。できるだけ減らしたくはないですよね。
この記事では、不動産売却時にかかる税金の種類、計算方法、そして節税対策をわかりやすく解説します。
読んでいただければ、売却後の税金を最小限に抑える方法を知ることができます。安心して不動産を売却するためのヒントをお伝えしていますので、ぜひ最後までご覧ください!
税金の種類と納める時期

不動産売却時には、さまざまな税金が発生します。これらの税金は大きく分けて、契約から引き渡しまでに支払う税金と、売却後に支払う税金の2つのタイミングに分類できます。
物件の売却が決まると、契約手続きから引き渡しまでの間は非常に忙しく、あっという間に過ぎてしまうことが多いです。したがって、売却時にかかる税金の支払いタイミングをあらかじめ理解しておくことが重要です。
特に、売却後に行う確定申告やその翌年に支払う住民税など、忘れがちな税金もあるので時期を把握し、しっかりと準備しておきましょう。
✅売買契約から引き渡しまでに支払う税金
■印紙税:売買契約書に貼付する収入印紙の費用
■登録免許税:抵当権抹消登記にかかる税金金額の目安 1万円~10万円(売却額による)不動産1筆あたり1,000円
■消費税:不動産会社への仲介手数料などに課税
■固定資産税:売却日が年度の途中なら買主と按分する場合が多い
✅売却後に支払う税金
■譲渡所得税:売却益が発生すると課税される(譲渡が行われた翌年の確定申告)
■住民税:売却益が発生すると課税される(確定申告した翌年)
(具体例)
● 5,000万円の不動産売却では、印紙税は3万円
● 抵当権が残っている場合、抹消登記に1,000円
● 長期譲渡所得(1,700万円)の場合、住民税は85万円
● 仲介手数料が200万円の場合、消費税は20万円
売却時の手残り額を計算する際は、これらの税金も考慮する必要があります。
税金の計算方法

✅譲渡所得の計算方法
不動産を売却して利益(譲渡所得)が発生すると、「譲渡所得税」が課せられます。 不動産売却によって得た利益は、「所得」とみなされるため、所得税・住民税の対象になります。
ただし、給与所得や事業所得とは別枠で「分離課税」として計算されるのが特徴です。
譲渡所得は以下の計算式で求められます。
譲渡所得=売却価格-(取得費+譲渡費用)
それぞれの要素について詳しく説明します。
● 売却価格:実際に不動産を売却した価格
● 取得費:購入時の価格+購入時の諸費用(仲介手数料・登記費用・改修費など)
● 譲渡費用:売却時に発生する経費(仲介手数料・測量費・解体費用など)
(具体例)
例えば、以下のようなケースを考えます。
● 購入価格:3,000万円
● 購入時の諸費用(登記費用、仲介手数料など):200万円
● 売却価格:5,000万円
● 売却時の諸費用(仲介手数料、測量費など):100万円
この場合、譲渡所得の計算は以下のようになります。
5,000万円-(3,000万円+200万円+100万円)=1,700万円
この1,700万円に対して、税率をかけた金額が「譲渡所得税」となります。
✅短期譲渡所得と長期譲渡所得の違い
不動産の所有期間が「5年以下」か「5年超」かによって、適用される税率が大きく異なります。
短期間での売却は投機的な売買とみなされ、高い税率が適用されるためです。反対に、長期間所有した不動産の売却は資産形成の一環と考えられ、税率が低く設定されています。
■税率の適用条件
先ほどのケース(譲渡所得1,700万円)の場合、短期譲渡と長期譲渡で以下のように税額が異なります。
● 短期譲渡(5年以下) 1,700万円 × 39.63% =
673.7万円
● 長期譲渡(5年超) 1,700万円 × 20.315% =
345.3万円
長期譲渡の方が税金が大幅に低くなることが分かります。
■税率の適用条件と具体的な計算例
不動産の「所有期間」は、売却した年の1月1日時点で5年を超えているかどうかで判断します。 例えば、2018年12月15日に購入し、2024年6月に売却した場合、
● 2024年1月1日時点では「5年未満」 → 短期譲渡所得
● 2025年1月1日以降に売却すると「5年超」 → 長期譲渡所得
不動産を売却すると、譲渡所得税をはじめとするさまざまな税金がかかります。特に、所有期間が5年を超えるかどうかで税率が大きく変わるため、売却のタイミングは慎重に検討すべきです。
5つの節税対策

不動産を売却した際の税負担を減らすためには、適用できる控除や特例を活用することが重要です。ここでは、代表的な5つの節税方法を解説します。
1.3,000万円特別控除
マイホームを売却する場合、一定の条件を満たせば、最大3,000万円まで譲渡所得から控除できます。不動産売却で発生する譲渡所得税を軽減するために、政府が住宅所有者向けに設けた特例です。適用することで、譲渡所得税を大幅に削減できます。
(具体例)
例えば、4,000万円で購入した自宅を5,500万円で売却した場合、取得費4,000万円、諸費用200 万円とすると、譲渡所得は以下のように計算されます。
譲渡所得 = 5,500万円 -(4,000万円 + 200万円)= 1,300万円
3,000万円の控除が適用されると、譲渡所得は0円となり、譲渡所得税が発生しません。
(適用条件と手続き)
● 居住用不動産であること(賃貸物件は適用外)
● 売却相手が親族や同一世帯の親族ではないこと
● 住まなくなってから3年以内に売却すること
● 確定申告が必要 適用できないケース
● 過去2年以内に同じ特例を利用している場合
● 買い替え特例と併用する場合
2.軽減税率の特例
10年以上所有した居住用不動産を売却すると、通常の譲渡所得税率より低い税率が適用されます。
長期的に住んだ住宅の売却時にかかる税負担を減らし、スムーズな住み替えを促すための制度です。
適用条件と具体的な税率
通常の長期譲渡所得の税率が20.315%であるのに対し、売却益(所得額)6,000万円以下の部分は14.21%の低税率が適用されます。
3.相続不動産の取得費加算特例
相続税を支払っている場合、その一部を取得費に加算でき、譲渡所得を圧縮できます。
相続税を負担した相続人の税負担を減らすための制度で、取得費を増やすことで譲渡所得を減らし、課税額を減らせます。
(適用条件)
● 相続開始から3年10ヶ月以内に売却すること
● 相続税の申告をしていること
(具体例)
相続した不動産を4,000万円で売却し、相続税1,000万円を支払っていた場合、
譲渡所得 = 4,000万円 -(取得費3,000万円 + 相続税1,000万円)
= 4,000万円 - 4,000万円 = 0円
このような場合、譲渡所得税がゼロになる可能性があります。
4.買い替え特例
マイホームを売却して新しい住宅を購入する場合、譲渡所得税の課税を繰り延べできます。 住み替えを促進するための制度で、売却した不動産の譲渡所得を次の不動産の取得費に繰り延べることで、即時課税を回避できます。
(適用条件)
● 売却価格1億円以下
● 住み替え先の購入価格が売却価格以上
● 売却・購入ともに1年以内に行うこと
● 確定申告が必要
5.損益通算
不動産売却で損失が出た場合、他の所得と相殺し税金を減らせます。
損失を他の所得と合算(損益通算)できる制度があり、給与所得や事業所得と相殺できます。
売却損が出た場合の対策
例えば、取得費5,000万円の不動産を4,500万円で売却すると、500万円の損失が発生します。
売却損 = 4,500万円 - 5,000万円 = -500万円
この500万円を給与所得などと相殺し、所得税を減らすことが可能です。
(繰越控除の活用法)
売却損を3年間繰り越して、翌年以降の所得と相殺できます。
不動産売却にかかる税金の確定申告の流れ

不動産売却時に利益が発生した場合、翌年3月15日までに確定申告を行い、所得税を納付する必要があります。
3,000万円の特別控除などを利用して課税されない場合でも、確定申告を行う必要があります。これは、たとえ税金が発生しなくても、税務署に譲渡所得があったことを報告する義務があるためです。
確定申告に必要な書類一覧
確定申告の具体的な手続き
■申告書の記入方法
・確定申告書Bを使用
・「分離課税の譲渡所得」欄に必要事項を記入
■申告期限と提出方法(e-Tax・税務署窓口)
・期限:翌年3月15日まで
・提出方法:e-Tax(電子申告)または税務署窓口
■申告後の納税方法
・銀行振込
・クレジットカード決済
・コンビニ払い
ケース別!不動産売却にかかる税金のシミュレーション

不動産を売却する理由や状況によって、かかる税金や適用される特例が異なります。ここでは、 代表的な3つのケースについて、シミュレーションを交えて解説します。
①住み替えによる売却の税金対策
住み替えの際に不動産を売却する場合、「3,000万円特別控除」や「買い替え特例」を活用することで、税負担を減らせます。
住み替えでは、新しい不動産の購入と旧住居の売却を同時に進める必要があります。買い替え特例を適用すれば、売却益に対する課税を次の不動産に繰り延べられます。
(具体例)
取得費4,000万円の自宅を6,500万円で売却(譲渡費用200万円)
譲渡所得:6,500万円 -(4,000万円 + 200万円)= 2,300万円
3,000万円控除を適用 → 課税所得0円
結果 税負担なし
■活用できる節税策
・3,000万円特別控除
・買い替え特例(課税繰延べ)
・10年超所有の軽減税率適用
②相続した不動産を売却する場合
相続した不動産を売却するときは、「取得費加算の特例」や「空き家3,000万円特別控除」を活用することで税負担を抑えられます。
相続時に支払った相続税を取得費に加算することで、譲渡所得を減らせます。
また、一定条件を 満たせば、相続した空き家の売却時に3,000万円の控除が適用されます。
(具体例)
● 取得費3,000万円の土地を5,000万円で売却
● 相続税として1,000万円を支払っていた
取得費加算適用後の譲渡所得
5,000万円 -(3,000万円 + 1,000万円)= 1,000万円
適用前の税額(長期譲渡所得20.315%)
1,000万円 × 20.315% = 203万円
3,000万円特別控除適用後
1,000万円 - 1,000万円 = 0円
結果 税負担なし
■活用できる節税策
・取得費加算の特例
・相続した空き家の3,000万円特別控除
・長期譲渡所得の軽減税率
③投資用不動産を売却する場合
投資用不動産を売却する場合、損益通算や買い替え特例を活用し、税金を抑えることができます。
投資物件の売却では、家賃収入や他の所得と相殺できる「損益通算」や、「買い替え特例」による課税繰り延べが有効です。
(具体例)
取得費4,500万円の賃貸マンションを4,000万円で売却(売却損500万円)
売却損を給与所得と損益通算
年収800万円 → 課税所得800万円 - 500万円 = 300万円
翌年以降も損失繰越控除が可能
■活用できる節税策
・損益通算
・売却損の繰越控除(3年間)
・買い替え特例(課税繰延べ)
不動産売却の税金に関するQ&A

Q売却時にかかる税金を一括で払えない場合はどうする?
税金を一括で払えない場合、延納や分割納付が可能です。税務署に申請することで、納税を分 割できる制度があります。
具体的な解決策
● 延納の申請(最大5年間の分割払い)
● 金融機関の納税ローン利用
● 税理士へ相談し、節税対策を見直す
Q住宅ローンが残っている不動産を売却した場合の税金は?
ローンが残っていても、不動産売却による譲渡所得が発生すれば税金がかかります。
売却価格と残債額の関係によって、税負担の有無が変わります。
具体的な解決策
● 売却益が出た場合は確定申告を行う
● 損失が出た場合は「損益通算」で節税する
● 任意売却を検討する(ローン残高が売却価格を上回る場合)
Q法人で売却した場合と個人で売却した場合の税金の違いは?
法人の売却は「法人税」、個人の売却は「譲渡所得税」が適用されます。
法人の場合は売却益が事業所得扱いとなり、法人税がかかるため、税率が異なります。

Q配偶者や親族に売却した場合の注意点は?
特例なし 親族間売買では「時価での売買」が求められ、税務署から「みなし贈与」と判断される可能性があります。売買価格が適正でない場合、贈与税の対象となることがあります。
具体的な解決策
● 売却価格は市場価格に基づく
● 贈与税を回避するための売買契約の適正化
● 税理士に相談し、トラブルを防ぐ
まとめ
不動産売却時の税金を理解し、適切な節税対策を講じることで大きな税負担を避けられます。
特に、3,000万円控除や取得費加算の特例を活用することで、多くのケースで税金を抑えられます。
確定申告の準備をしっかり行い、適用できる特例を把握して、最適な売却計画を立てることが重要です。
必要に応じて税理士に相談することで、より有利な条件で売却できるでしょう。
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