売却後のトラブルが怖いなら「買取」一択!契約不適合責任の不安をゼロにする方法
こんにちは。
新潟の不動産売買専門店「にいがたの不動産」の富澤です!
「家を売った後で、雨漏りを指摘されたらどうしよう…」
「もしシロアリが見つかったら、損害賠償を請求されるのだろうか?」
不動産の売却を考えたとき、多くの売主様がこのような「売却後のトラブル」に対する漠然とした、しかし深刻な不安を抱えています。
特に、長年住み続けた家や、相続した古いご実家の場合、ご自身も把握していない建物の不具合が隠れている可能性は否定できません。
この「売った後の不安」を根本から解消できる、いわば“究極の安心”を手に入れる売却方法があることをご存知でしょうか。
それが、不動産業者に直接物件を買い取ってもらう「不動産買取」です。
「買取は、仲介より安くなるって聞くし…」と、敬遠されている方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、この記事を最後までお読みいただければ、その考えは大きく変わるはずです。
なぜ「買取」なら売却後のトラブルを100%回避できるのか。
なぜ「古い家」であればあるほど買取が最適な選択になり得るのか。
その明確な理由と、あなたが安心して大切な資産を手放すための具体的な知識を、不動産のプロとして徹底的に解説します。
はじめに:不動産売却、2つの方法「仲介」と「買取」の決定的違い
まず、不動産売却の基本である「仲介」と「買取」の違いを明確に理解しましょう。
この2つは、似ているようで全く異なるサービスです。
◆「仲介」とは? ~買主を探す“お手伝い”~
「仲介」は、不動産会社が売主様と買主様の間に入り、売買の成立をサポートする方法です。
不動産会社はあくまで「仲介役」であり、買主は市場で探してきた一般の個人や法人になります。
〈メリット〉
市場価格に近い、できるだけ高い価格での売却が期待できます。
〈デメリット〉
・いつ売れるか分からない(売却期間が長期化することも)。
・広告活動や内覧対応など、売却の手間と時間がかかる。
・売買が成立すると、不動産会社に「仲介手数料」を支払う必要がある。
そして、最大のデメリットが「契約不適合責任」を負うリスクがあることです。
【仲介のイメージ図】
売主様 ⇔ [不動産会社(仲介役)] ⇔
一般の買主様
◆「買取」とは? ~不動産会社が“直接の買主”~
「買取」は、不動産会社自身が買主となって、売主様から直接物件を買い取る方法です。
市場で買主を探す必要がありません。
〈メリット〉
・スピーディーに売却でき、現金化が早い(最短数日~)。
・仲介手数料が不要。
・広告活動や内覧対応などの手間が一切かからない。
そして、最大のメリットが「契約不適合責任」が原則として免責されることです。
〈デメリット〉
一般的に、仲介で売却する場合の市場価格より7~8割程度の価格になる傾向があります。
【買取のイメージ図】
売主様 ⇔ 不動産会社(直接の買主)
このように、誰に売るのか、そして売却に伴うリスクとスピードが全く異なります。
次の章で、これらの違いの中で最も重要な「契約不適合責任」について深く掘り下げていきます。
【最重要】売主を生涯悩ます最大の壁「契約不適合責任」という恐怖

「契約不適合責任」――この言葉を聞いただけで難しく感じてしまうかもしれませんが、不動産を売却する上で絶対に避けては通れない、非常に重要な知識です。
◆契約不適合責任とは何か?
簡単に言うと、「売却した物件が、契約書に記載された内容と異なる状態だった場合に、売主が買主に対して負わなければならない責任」のことです。
例えば、「雨漏りはありません」と契約書に記載して売ったのに、引き渡し後に雨漏りが発覚した場合、売主は買主から以下のいずれかを請求される可能性があります。
追完請求:「契約通りに直してください」(雨漏りの修理)
代金減額請求:「欠陥がある分、代金をまけてください」
損害賠償請求:「雨漏りで濡れた家具の分も弁償してください」
契約解除:「こんな欠陥があるなら、この契約は無かったことにしてください」
この責任は、売主様が「知っていたか、知らなかったか」に関わらず発生します。
つまり、「自分も知らなかった隠れた欠陥」があった場合でも、責任を問われる可能性があるのです。
◆なぜ「古い家」ほどリスクが爆発的に高まるのか?
築年数が経過した建物は、人間と同じように様々な部分が経年劣化しています。
売主様が長年住んでいて、普段の生活では全く気づかなかった不具合が、建物の内部に潜んでいることは珍しくありません。
床下: シロアリの被害、土台の腐食
壁の内部: 雨漏りによる柱の腐食、断熱材の劣化
屋根裏: 野生動物の侵入、雨漏りの初期症状
地中: 給排水管のサビや破損
これらの「隠れた瑕疵(かし)」は、専門家が詳細な調査をしなければ発見が困難です。
しかし、一般の個人である買主様は、購入後にこれらの不具合を発見した場合、契約不適合責任を根拠に売主様へ修繕や賠償を求める権利があります。
売却から数年経って、忘れた頃に突然、数百万円もの請求が届く…という悪夢のような事態も、決して絵空事ではないのです。
【買取の核心】なぜ買取なら「契約不適合責任」を問われないのか?

それでは、なぜ「買取」であれば、この恐ろしい契約不適合責任のリスクから逃れられるのでしょうか。
その答えは極めてシンプルです。
買主が、「不動産のプロ」である不動産業者だからです。
◆プロの視点:リスクは全て織り込み済み
不動産業者は、物件を買い取る際、その建物をリフォーム・リノベーションして再販売したり、解体して新築用地として販売したりすることを目的としています。
そのため、査定の段階からプロの目で物件を厳しくチェックします。
「この築年数なら、おそらく給排水管は交換が必要だろう」
「屋根の状態で、雨漏りのリスクはこれくらいあるな」
「床のきしみ具合から見て、シロアリ調査は必須だ」
このように、不動産業者は、建物に何らかの欠陥や不具合があることを“前提”として物件を見ています。
そして、将来発生しうる修繕費用やリフォーム費用、そして潜在的なリスクの全てを考慮した上で、買取価格を算出します。
◆契約上の根拠:「契約不適合責任の免責」特約
この「プロ同士の取引」という背景があるため、不動産業者が買主となる売買契約では、契約書に「売主は本物件に関する一切の契約不適合責任を負わないものとする」という趣旨の特約(免責特約)を設けるのが一般的です。
一般の消費者を保護する観点から、買主が個人の場合はこのような完全な免責特約は無効となることが多いですが、買主が同じ事業者である不動産業者の場合は、この特約が有効とされます。
これは、「プロである買主は、自らの責任で物件を調査・判断し、リスクを許容した上で購入する」という考え方に基づいています。
◆売主様の絶大なメリット:「未来の安心」を手に入れる
この免責特約により、売主様は、引き渡しが完了した瞬間に、その物件に関する将来の一切の責任から完全に解放されます。
引き渡し後にどんな不具合が見つかろうと、関係ありません。
シロアリが何万匹いようと、雨漏りで滝のようになっていようと、それは全て買主である不動産業者が引き受けるべきリスクとなります。
これは、単にお金の問題だけではありません。
「いつか何か言われるかもしれない」という、精神的な重荷やストレスから完全に解放されることを意味します。
この「売った後の未来永劫の安心」こそ、買取が提供する最大の価値なのです。
あなたはどっち?「買取」を選ぶべき人の具体的なケーススタディ

「買取の安心感は分かったけど、具体的にどんな人が向いているの?」
ここでは、買取が最適な選択肢となる典型的な4つのケースをご紹介します。
Case1:築古物件や相続した実家の売却を考えている人
悩み:
「建物が古く、自分も知らない不具合がありそうで怖い。売却後に親族に迷惑をかけたくない」
買取が最適な理由:
契約不適合責任が免責されるため、未知の欠陥に対する不安をゼロにできます。
相続した物件で、その歴史や状態を詳しく知らない場合などは、特に有効です。
Case2:とにかく早く、確実に現金化したい人
悩み:
「急な転勤が決まった」
「相続税の納税期限が迫っている」
「事業資金が必要だ」
買取が最適な理由:
仲介のように買主を探す期間が不要なため、不動産業者の決済準備が整い次第、即時に現金化が可能です。
価格交渉や契約のスケジュールも立てやすく、計画的な資金繰りが実現します。
Case3:近所に知られずに売却したい人
悩み:
「売却することを近所の人に知られたくない」
「たくさんの人が家を見に来る内覧対応が精神的に負担だ」
買取が最適な理由:
買取は、不動産業者との直接取引です。
そのため、チラシやインターネットでの広告活動は一切行われません。
査定時の担当者の訪問だけで完結するため、プライバシーを完全に守ることができます。
Case4:手間をかけずに現状のまま売りたい人
悩み:
「家の中に家具や荷物が大量に残っている」
「遠方に住んでいて、片付けや清掃のために通えない」
買取が最適な理由:
多くの買取業者は、室内に残置物がある状態でも、そのまま買い取ってくれます。
不用品の処分費用や手間をかけることなく、現状のままで引き渡せるのは大きなメリットです。
「価格」と「安心」を天秤にかける。「買取」の価格と本当の価値

買取を検討する上で、誰もが気になるのが「売却価格」です。
前述の通り、買取価格は仲介の市場価格と比べて低くなるのが一般的です。
では、なぜ価格差が生まれるのでしょうか。
それは、買取価格が以下のような要素で構成されているからです。
買取価格 = [再販売価格] - [リフォーム費用] - [販売経費] - [利益] - [リスク負担料]
不動産業者は、買い取った物件に付加価値をつけて再販売することで利益を得ます。
そのためのリフォーム費用や、再販売時の広告費、登記費用などの諸経費、そして自社の利益をあらかじめ差し引く必要があります。
さらに、「契約不適合責任を全て引き受ける」というリスク負担分も価格に反映されるため、仲介の市場価格より低くなるのは、ビジネスモデルとして当然の構造なのです。
しかし、この価格差を、単なる「損」と考えるべきではありません。
むしろ、これは「安心料」と考えることができます。
・契約不適合責任を追及されるリスク
・何か月、何年売れ残るか分からないリスク
・売却活動にかかる時間と手間のコスト
・「いつ売れるだろうか」という精神的なストレス
これらの、目には見えないけれど確実に存在する様々な負担やリスクを、全てお金で解決するための費用が、仲介価格との差額なのです。
「安心」というプライスレスな価値を、合理的なコストで手に入れる。
それが不動産買取の本質的な価値と言えるでしょう。
後悔しないために。信頼できる買取業者を見つける3つのポイント

最後に、安心して買取を任せられるパートナー(不動産業者)を見つけるためのポイントを3つご紹介します。
1. 買取実績が豊富か
買取を専門に、あるいは得意としている業者は、それだけ多くの物件を再生・再販してきたノウハウがあります。
会社のウェブサイトなどで、買取事例や実績を確認しましょう。
2. 査定の根拠を明確に説明してくれるか
「なぜ、この買取価格になるのですか?」という質問に対して、周辺の相場、建物の状態、想定されるリフォーム内容などを基に、あなたが納得できる形でロジカルに説明してくれる業者は信頼できます。
ただ単に「これがうちの価格です」としか言わない業者は注意が必要です。
3. 複数の業者に査定を依頼する
これは最も重要です。
買取価格や査定の基準は、業者によって異なります。
必ず2~3社以上に査定を依頼し、提示された価格や担当者の対応を比較検討する「相見積もり」を行いましょう。
これにより、あなたの物件の適正な買取価格を知ることができ、不当に安く買い叩かれるリスクを防げます。
おわりに

不動産売却の成功とは、必ずしも「1円でも高く売ること」だけを指すのではありません。
「いかに安心して、心穏やかに資産を手放せるか」
これもまた、非常に重要な“成功の形”の一つです。
特に、ご自身が長年暮らしたわけではない相続物件や、どこに不具合が潜んでいるか分からない古い家を売却する場合、「売った後」の心配から完全に解放される買取という選択肢は、何物にも代えがたい価値をもたらしてくれます。
もしあなたが、少しでも売却後の不安を感じているのであれば、まずは「買取」の査定を気軽に受けてみてはいかがでしょうか。
仲介で売った場合の想定価格と、買取で得られる「価格+絶対的な安心」。
その両方を天秤にかけ、ご自身にとって本当の意味で“豊かな”売却とは何かを、じっくりと考えてみる。
その一歩が、あなたの不動産売却を後悔のない、最高の体験へと導いてくれるはずです。