待って!その解体で150万円損するかも。新潟市の古い一戸建てを最高値で売るための全知識
「築40年を超えるこの家、もう古いし誰も買ってくれないだろうな…」
「いっそのこと、建物を壊して更地にしてから売るべきだろうか?」
長年住み続けた愛着のある家、あるいは相続で受け継いだご実家。
その売却を考えたとき、多くの方がこのような悩みに直面します。
時代の流れとともに、家の価値は下がっていくもの。
そう思うと、「売却」という選択肢すら諦めてしまいそうになるお気持ち、痛いほどよく分かります。
しかし、結論から申し上げます。その判断は、まだ早すぎます。
ご自身の判断だけで建物を解体してしまうのは、非常に危険な一手かもしれません。
実は、あなたが「価値がない」と思っているその古い家に、思わぬ価値が眠っているケースは少なくありません。
そして、その価値を最大限に引き出すための売却方法は、一つではないのです。
こんにちは。
新潟の不動産売買専門店「にいがたの不動産」の富澤です!
この記事では、築古戸建ての売却で悩むあなたが、後悔しないために知っておくべき全てのことを解説します。
売却の選択肢、それぞれのメリット・デメリット、そして何よりも大切な「売却を成功に導くための正しい手順」まで。
「あの時、この記事を読んでおいて本当に良かった」
そう思っていただけるよう、不動産のプロとして、あなたの不安に最後まで寄り添います。
この古い家、本当に売れるの?」その悩み、価値が眠っているサインです。

「築年数が古い」
「設備が時代遅れ」
「あちこち傷んでいる」
ご自身の家のマイナス面ばかりが目について、売却に自信が持てなくなるのは当然のことです。
しかし、視点を変えてみましょう。
不動産の価値は「建物」だけで決まるわけではありません。
立地の価値:
駅からの距離、周辺の商業施設、学区など、その土地が持つ利便性は、築年数に関わらず大きな価値を持ちます。
特に、昔からある住宅地は、生活利便性が高い場所に位置していることが多く、土地自体の価値が非常に高いケースがあります。
土地の広さ・形状:
広い庭がある、陽当たりの良い角地であるなど、土地そのものが持つ魅力は強力なアピールポイントになります。
リノベーション素材としての価値:
近年、新築の価格高騰を背景に、あえて築古の中古戸建てを購入し、自分たちのライフスタイルに合わせて大規模なリフォームやリノベーションをしたい、と考える若い世代が増えています。
彼らにとって、古い家は「未完成の魅力的な素材」に映るのです。しっかりとした梁や柱、昔ながらの間取りが、逆に新鮮で創造性を掻き立てることもあります。
再建築不可ではない価値:
現在の建築基準法では建てられないような、敷地いっぱいに建てられている家も、既存の建物をリフォーム・リノベーションして住むのであれば問題ありません。
これも「既存住宅」ならではの価値と言えます。
このように、あなたが「欠点」だと思っている部分が、ある人にとっては「価値」に変わる可能性があるのです。
大切なのは、その価値を見つけ出し、その価値を求めている人に正しく届けること。
そのために、まず「売れない」と決めつけないことが、成功への第一歩となります。
【最重要】ちょっと待って!その解体、本当に必要ですか?

「建物を壊して綺麗な更地にすれば、土地として売れやすくなるはずだ」
この考えは、一見すると正しく思えます。
しかし、不動産のプロの視点から見ると、これは大きなリスクを伴う「賭け」になってしまうことがあります。
自己判断で解体を進めるべきではない3つの大きな理由をご説明します。
理由1:150万円以上の解体費用が水の泡になる可能性
木造一戸建ての解体費用は、決して安くありません。
一般的な30坪程度の住宅でも、150万円~250万円程度の費用がかかるのが相場です。
庭の樹木やブロック塀、カーポートなどがあれば、さらに費用はかさみます。
もし、後述する『中古戸建て』として売却できた場合、この費用は丸々不要になります。
売却が決まってもいない段階で高額な費用を投じるのは、大きなリスクです。
理由2:固定資産税が最大6倍に跳ね上がるリスク
これは非常に重要なポイントです。
土地の上に住宅が建っている場合、「住宅用地の特例」が適用され、固定資産税が大幅に減額されています(課税標準額が最大で1/6に)。
しかし、建物を解体して更地にしてしまうと、この特例が適用されなくなり、翌年から固定資産税が最大で6倍になってしまうのです。
すぐに売れれば問題ありませんが、売却活動が長引けば長引くほど、高い固定資産税を払い続けなければならず、経済的な負担が重くのしかかります。
理由3:「中古住宅として買いたい」という買主を逃してしまう
先ほども触れた通り、中古住宅を探している買主は数多く存在します。
彼らにとっては、建物が残っている方が、リフォーム後の生活をイメージしやすく、購入の判断がしやすくなります。
また、買主は「住宅ローン」を利用して購入するのが一般的ですが、建物がない更地の状態だと、住宅ローンが使えない(または利用条件が厳しくなる)ケースが多く、買主の層を狭めてしまうことにも繋がります。
良かれと思ってした解体が、実は最も有力な購入希望者を遠ざけてしまう結果になりかねないのです。
【選択肢は4つ】あなたの家に最適な売却方法診断
それでは、具体的にどのような売却方法があるのでしょうか。
代表的な4つの方法と、それぞれのメリット・デメリットを解説します。
あなたの家の状況と照らし合わせながら、最適な方法を探っていきましょう。
選択肢1:リノベ需要を狙う『中古戸建て』としての売却
建物をそのままの状態で、あくまで「住宅」として売り出す方法です。
〈メリット〉
・解体費用がかからないため、売主の金銭的負担が最も少ない。
・リノベーションを前提とするため、多少の傷みは許容されやすい。
・買主が住宅ローンを利用しやすいため、幅広い層にアプローチできる。
・売却価格が「土地値+建物価値」となり、比較的高値での売却が期待できる。
〈デメリット〉
・雨漏りやシロアリ被害、建物の傾きなど、大きな欠陥がある場合は売れにくい。
・「契約不適合責任」を負うリスクがある。(※引き渡し後、契約内容と異なる欠陥が見つかった場合に売主が負う責任。特約で免責にすることも可能)
【こんな家におすすめ】
・築年数は古いが、定期的なメンテナンスがされており、構造的な問題が少ない家。
・駅近など、立地条件が非常に良い家。
・古民家風のデザインなど、建物自体に魅力がある家。
選択肢2:売主の負担が少ない『古家付き土地』としての売却
建物の価値をほぼゼロとみなし、「土地」をメインとして売り出す方法です。
ただし、建物は解体せずにそのままの状態で売却します。
〈メリット〉
・解体費用がかからない。
・建物の価値を問わないため、売主の「契約不適合責任」が原則として免責される。心理的な負担が軽い。
・買主は、自分のタイミングで建物を解体するか、リフォームして使うかを選択できる。
〈デメリット〉
・売却価格は、周辺の土地相場(土地値)から、買主が負担するであろう解体費用を差し引いた金額で交渉されることが多い。
・建物があることで土地の状況が分かりにくく、敬遠する買主もいる。
【こんな家におすすめ】
・建物の傷みが激しく、中古住宅として売るには難しい状態の家。
・契約不適合責任のリスクを避けたい場合。
・売却を急いではいないが、できるだけ手間をかけずに売りたい場合。
選択肢3:土地の魅力を最大化する『更地』としての売却
売主の負担で建物を解体し、何もない土地の状態で売り出す方法です。
〈メリット〉
・土地の広さや形状、日当たりなどが一目で分かり、買主が新築プランを立てやすい。
・土地を探している買主に直接響くため、早期売却に繋がる可能性がある。
・地中に埋設物がないかなど、土地の状態をクリアにできるため、買主の安心感が高い。
〈デメリット〉
・高額な解体費用を売主が先行して負担する必要がある。
・解体後は固定資産税が最大6倍になる。
・「中古住宅」として買いたい層を完全にターゲットから外してしまう。
【こんな家におすすめ】
・建物が倒壊の恐れがあるなど、著しく危険な状態の家。
・土地の価値が非常に高く、更地にすることでその魅力が最大限に伝わる場合。
・不動産会社から「更地にすべき」という明確な根拠と販売戦略が示された場合。
選択肢4:スピードと確実性をとる『買取』という選択
市場で買主を探す「仲介」とは異なり、不動産会社に直接物件を買い取ってもらう方法です。
〈メリット〉
・売却活動が不要で、とにかく早く売れる(最短で数日~数週間で現金化可能)。
・仲介手数料がかからない。
・契約不適合責任が完全に免責される。
・近所に知られることなく、内密に売却できる。
〈デメリット〉
・売却価格が市場価格の7~8割程度になるのが一般的。
【こんな家におすすめ】
・相続税の納税など、売却を急ぐ明確な理由がある場合。
・他の方法で売りに出したが、長期間売れなかった場合。
・内覧対応など、売却にかかる手間を一切かけたくない場合。
【実践編】古い一戸建て売却、成功への5ステップ
どの売却方法を選ぶにせよ、成功に向けた基本的な流れは共通しています。
ステップ1:情報収集と相場確認
まずは、自分の家がどれくらいの価値を持つのか、大まかな相場を掴みましょう。
不動産ポータルサイト(SUUMO、HOME'Sなど)で、近隣の似たような条件(所在地、土地面積、築年数)の物件がいくらで売りに出されているかを確認します。
これはあくまで「売出価格」ですが、一つの目安になります。
ステップ2:【最重要】パートナーとなる不動産会社を探す(査定依頼)
ここが最も重要なステップです。
1社だけでなく、必ず3社以上の不動産会社に査定を依頼しましょう。
査定を依頼する際は、「古い家だが、どういう売り方がベストかアドバイスして欲しい」と正直に伝えることが大切です。
ステップ3:不動産会社と売却戦略を立てる
各社から査定結果と提案が出揃ったら、それを比較検討します。
ただ査定額が高いだけでなく、「なぜその価格なのか」「どの売却方法(中古住宅、古家付き土地など)を推奨するのか」「その根拠は何か」を明確に説明してくれる会社を選び、担当者と売却戦略を練ります。
ここで売り出し価格や売却方針を決定します。
ステップ4:媒介契約と売却活動の開始
戦略が決まったら、依頼する不動産会社と「媒介契約」を結び、売却活動をスタートさせます。内覧の希望が入れば、買主を迎えるために家の清掃や整理整頓を心がけましょう。
ステップ5:契約・決済・引き渡し
購入希望者が見つかり、条件がまとまれば売買契約を締結します。
その後、残代金の受領と物件の引き渡しを行えば、売却は完了です。
後悔しないための最終チェック!信頼できる不動産会社の選び方

古い一戸建ての売却は、新築や築浅の物件を売るのとは違う、特別なノウハウが必要です。あなたの家の価値を正しく見抜き、成功へと導いてくれるパートナー(不動産会社)を見極めるためのポイントをお伝えします。
1. 「築古戸建て」の売却実績が豊富か
会社のホームページで過去の取引事例を確認したり、担当者に直接聞いてみましょう。
古い家の売却に慣れている会社は、リノベーション需要の動向や、買主の不安を取り除くための提案力に長けています。
2. 複数の売却方法を提案してくれるか
「仲介で売るしかありません」と決めつけるのではなく、「中古住宅として売り出してみて、もし売れなければ古家付き土地に切り替えましょう」「買取という選択肢もあります」など、あなたの状況に合わせて複数の選択肢とそのメリット・デメリットを丁寧に説明してくれる会社は信頼できます。
3. 査定価格の根拠を明確に説明してくれるか
「このエリアの土地の相場は〇〇円で、建物の状態から見て△△の価値が見込めるため、この査定額になります」といったように、客観的なデータに基づいて、あなたが納得できる説明をしてくれるかを確認しましょう。
根拠なく高い査定額を提示して契約を迫る会社には注意が必要です。
4. デメリットやリスクも正直に話してくれるか
「このままでは売りにくいので、〇〇を修繕した方が良いかもしれません」「契約不適合責任のリスクはこうなっています」など、良いことだけでなく、売却に伴うリスクや注意点もしっかりと伝えてくれる担当者は誠実です。
おわりに

「古いから売れない」という思い込みは、あなたの資産が持つ本当の可能性に蓋をしてしまうかもしれません。
解体して更地にすれば、確かに見た目はスッキリするでしょう。
しかし、それは同時に、リノベーションして住みたいと願う人の希望や、建物の持つ歴史や風合いといった価値まで、全て消し去ってしまうことにもなりかねません。
大切なのは、ご自身の判断で選択肢を狭めてしまう前に、専門家の多角的な視点を取り入れることです。
まずは、この記事で紹介したポイントを胸に、信頼できそうな不動産会社に「相談」という形で第一歩を踏み出してみてください。
きっと、あなたが思ってもみなかったような、明るい未来への道筋が見えてくるはずです。
あなたの思い出が詰まった大切な家が、最良の形で次の世代へと受け継がれていくことを、心から願っております。
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