新潟市で相続した家、遠方からどう売る?3000万円控除から会社選びまで「気づき」の売却術
「親から実家を相続したけど、遠方に住んでいるから管理が大変…どうやって売却すればいいんだろう?」
「相続した空き家を売ると税金が安くなる特例があるって聞いたけど、うちも対象になるのかな?」
「仲介と買取、どっちがいいの?CMで見るような大手不動産会社に頼むべき?」
遠方に住むあなたが実家を相続された場合、このような悩みや疑問が次々と湧いてくるのは当然のことです。
特に、使わない家をそのままにしておくと、固定資産税や管理費がかさみ、建物の劣化も進んでしまいます。
しかし、いざ売却しようにも、何から手をつければ良いのか、誰に相談すれば良いのか分からず、途方に暮れてしまう方も少なくありません。
こんにちは。
新潟の不動産売買専門店「にいがたの不動産」の富澤です!
ご安心ください!
この記事では、「相続した家 売却」というキーワードで検索されたあなたが抱える不安や疑問を一つひとつ解消し、「なるほど、こうすればいいんだ!」と具体的な道筋が見えるように、相続不動産売却のポイントを徹底的に解説します。
空き家の3000万円控除の条件から、遠方からの売却に適した「仲介」と「買取」のメリット・デメリット、そしてCMや広告だけに頼らない「本当に頼れる不動産会社」の見極め方まで、あなたが後悔しないための知識を余すところなくお伝えします。
この記事を読めば、遠方の相続した家も、きっとスムーズに、そして納得のいく形で売却できるはずです。
相続した家、売却までの最初の一歩!5つのステップと遠方オーナーの心構え

相続した家を売却するには、まずいくつかの法的な手続きや準備が必要です。
特に遠方にお住まいの場合、スムーズに進めるための段取りが重要になります。
ステップ1:最重要!「相続登記」は完了していますか?
相続した家を売却するためには、その家の名義を被相続人(亡くなった方)から相続人へ変更する「相続登記」が必須です。
これが完了していないと、法的にあなたの所有物とは認められず、売却活動を始めることができません。
2024年4月1日から相続登記は義務化されており、正当な理由なく怠った場合には過料が科される可能性もあります。
まだの場合は、速やかに司法書士に相談して手続きを進めましょう。
ステップ2:「遺産分割協議」は円満に終わっていますか?
相続人が複数いる場合、誰がその家を相続するのか、あるいは共有名義にするのかなどを話し合う「遺産分割協議」が必要です。
協議がまとまったら、「遺産分割協議書」を作成します。
もし共有名義で相続した場合、売却するには共有者全員の同意が必要となるため、事前に売却方針についてもしっかりと話し合っておくことが重要です。
ステップ3:家の現状を把握する(遠方からの確認術)
売却活動を始める前に、家の状態をできる限り正確に把握しておく必要があります。
書類の収集:
権利証(登記識別情報通知書)、固定資産税納税通知書、建築確認済証、検査済証、間取り図、過去のリフォーム履歴など、家に関する書類を集めましょう。
現地の確認:
遠方の場合、頻繁に現地へ行くのは難しいかもしれませんが、一度は訪問し、建物の劣化状況(雨漏り、シロアリ、傾きなど)、設備の状況、残置物の量などを確認しましょう。
写真や動画で記録しておくと後々役立ちます。不動産会社に査定を依頼する際に、代わりに確認してもらうことも可能です。
周辺環境の確認:
最寄り駅からの距離、近隣の施設、騒音や日照などの状況も把握しておくと、売却時のアピールポイントや注意点が明確になります。
ステップ4:売却方針を明確に(いつまでに、いくらで?)
「いつまでに売りたいか」「いくらくらいで売りたいか」といった大まかな希望を整理しておきましょう。
これが不動産会社との相談や、仲介か買取かの選択をする際の判断基準になります。
また、売却によって得た資金の使い道なども考えておくと、より具体的な計画が立てやすくなります。
ステップ5:いよいよ不動産会社へ相談開始
上記の準備がある程度整ったら、不動産会社への相談を開始します。
どのような会社を選ぶべきかは、後ほど詳しく解説します。
◆遠方から家を売るということ:知っておきたい心構え
遠方に住みながら実家を売却するのは、近隣に住んでいる場合と比べて、時間も手間も、そして精神的な負担も大きくなりがちです。
コミュニケーションの重要性:
不動産会社の担当者とは、電話やメール、オンライン会議などを活用し、密に連絡を取り合うことが不可欠です。
ある程度の費用を見込む:
現地への交通費、書類の郵送費、場合によっては空き家管理サービス費用などがかかることもあります。
信頼できる代理人や協力者:
もし現地に信頼できる親族や知人がいれば、一部の手続きや確認を依頼できると心強いでしょう。
時間的な余裕を持つ:
書類のやり取りや意思決定に時間がかかる場合もあるため、スケジュールには余裕を持たせましょう。
「遠いから大変そう…」と不安に思うかもしれませんが、しっかりと準備をし、信頼できる不動産会社を選べば、スムーズな売却は十分に可能です。
【節税の鍵】「空き家の3000万円控除」あなたは対象?条件と手続きを徹底解説!

相続した家を売却する際に、ぜひ知っておきたいのが「被相続人の居住用財産(空き家)に係る譲渡所得の特別控除の特例」、通称「空き家の3000万円控除」です。
この特例を使えれば、売却益(譲渡所得)から最大3000万円まで控除でき、譲渡所得税や住民税を大幅に節税できる可能性があります。
◆「空き家の3000万円控除」とは?正式名称と概要
この特例は、相続または遺贈により取得した被相続人居住用家屋または被相続人居住用家屋の敷地等を、平成28年4月1日から令和9年12月31日までの間に売って、一定の要件に当てはまるときは、譲渡所得の金額から最高3,000万円まで控除することができるというものです。
簡単に言うと、「亡くなった親などが住んでいた家を相続して空き家になったものを売却した場合、条件を満たせば売却益から3000万円を引いて税金計算ができますよ」という制度です。
◆あなたも使える?主な適用条件をチェック!
この特例を受けるためには、いくつかの重要な条件をクリアする必要があります。
主なものを以下に挙げますが、詳細は必ず国税庁のホームページや税理士にご確認ください。
1. 対象となる家屋
・相続開始の直前まで被相続人(亡くなった方)が一人で居住していた家屋であること。
(老人ホーム等に入所していた場合も一定の条件を満たせば対象となる場合があります)
・昭和56年5月31日以前に建築された家屋ではないこと。または、同日以前に建築された家屋の場合は、売却時までに一定の耐震リフォームがされているか、家屋を取り壊して土地のみを売却すること。
2. 売却期間
相続開始の日から3年を経過する日の属する年の12月31日までに売却すること。
3. 売却価格
売却価格が1億円以下であること。
4. その他
親子や夫婦など特別な関係にある人への売却ではないこと、他の特例(居住用財産の3000万円特別控除など)と併用できない場合があること、など。
特に、耐震基準や居住実態の証明は重要なポイントとなります。
◆手続きはどう進める?必要書類と流れ
この特例の適用を受けるためには、売却した翌年に確定申告を行う必要があります。
その際、通常の確定申告書類に加えて、主に以下のような書類が必要になります。
被相続人居住用家屋等確認書:
家屋または土地の所在地の市区町村役場で交付を受けます。
この書類の取得が非常に重要です。
・登記事項証明書
・売買契約書の写し など
市区町村への「被相続人居住用家屋等確認書」の申請には、被相続人の住民票の除票や、家屋が空き家であったことを示す書類(電気・ガス・水道の使用中止日がわかるものなど)が必要になる場合があります。
◆遠方からでも手続きは可能?
遠方にお住まいの場合でも、手続きは可能です。書類の取り寄せや提出は郵送で行えることが多いですし、確定申告もe-Taxを利用すれば自宅から行えます。
ただし、手続きが複雑だと感じる場合や、ご自身が対象となるかどうかの判断が難しい場合は、税理士に相談することをおすすめします。
不動産会社によっては、提携している税理士を紹介してくれることもあります。
◆【気づきのポイント】この特例は大きい!まずは対象かどうか確認を。
「3000万円も控除されるなんて、すごく助かる!」と思われたのではないでしょうか。
この特例の適用可否は、手元に残る金額に大きな影響を与えます。
ご自身のケースが対象となるかどうか、まずは市区町村役場や税務署、税理士に相談して確認することから始めましょう。
諦めずに情報を集めることが節税への第一歩です。
仲介?買取?どっちがベスト?遠方の家を売る2つの方法とメリット・デメリット

相続した家を売却する方法には、大きく分けて「仲介」と「買取」の2つがあります。
どちらの方法を選ぶかは、あなたの状況や希望によって最適なものが異なります。
特に遠方からの売却となると、それぞれのメリット・デメリットをしっかり理解しておくことが重要です。
◆「仲介」で売却するケース:市場価格での売却を目指す
「仲介」とは、不動産会社が売主と買主の間に入り、売買契約の成立をサポートする方法です。
不動産会社は、広告活動や内覧対応、契約手続きなどを行い、売買契約が成立した際に売主から仲介手数料を受け取ります。
〈メリット〉
〇市場価格に近い価格で売れる可能性が高い
不動産会社が広く購入希望者を探すため、需要と供給のバランスに応じた適正な市場価格で売れることが期待できます。
〇売却活動の透明性がある
どのような広告活動をしているか、どのくらいの問い合わせがあるかなど、不動産会社から定期的な報告を受けられるため、売却活動の状況を把握しやすいです。
〈デメリット〉
〇売れるまでに時間がかかることがある
買主が見つかるまでは売却できません。数ヶ月、場合によっては1年以上かかることもあります。
〇仲介手数料がかかる
売買価格に応じて、法律で定められた上限額までの仲介手数料を支払う必要があります。(例:売買価格400万円超の場合、売買価格×3%+6万円+消費税)
内覧対応など売主の協力が必要な場合がある:買主候補が家を見学したい場合、内覧の準備や立ち会いが必要になることがあります。
◆遠方からの「仲介」成功の秘訣
信頼できる不動産会社を選ぶ:
これが最も重要です。
定期的な報告やきめ細やかな連絡をくれる、遠方の売主の状況を理解してくれる会社を選びましょう。
空き家管理サービスの利用検討:
定期的な清掃や換気、庭の手入れなどを代行してくれるサービスを利用すると、遠方にいても家の状態を良好に保てます。不動産会社がサービスを提供している場合もあります。
オンラインツールの活用:
物件の写真や動画を多く用意してもらったり、オンラインでの内覧を実施したり、契約手続きの一部を郵送やオンラインで行えるように不動産会社と相談しましょう。
◆「買取」で売却するケース:早く確実に現金化したい
「買取」とは、不動産会社自身が買主となって、あなたの家を直接買い取る方法です。
その後、不動産会社はリフォームなどをして再販売することが一般的です。
〈メリット〉
スピーディーに現金化できる:
不動産会社との条件が合えば、数週間から1ヶ月程度で売却が完了し、現金化できます。「いつ売れるかわからない」という不安がありません。
仲介手数料が不要:
不動産会社が直接の買主となるため、仲介手数料はかかりません。
契約不適合責任(旧:瑕疵担保責任)が免責されることが多い:
売却後に家の欠陥が見つかった場合でも、売主が責任を負わなくて済むケースが一般的です。これは大きな安心材料です。
現状のまま売れることが多い:
リフォームや修繕、残置物の処理などを不動産会社が行ってくれるため、売主の手間や費用負担が少ないです。
遠方でも手間がかからない:
買主を探すための広告活動や内覧対応が不要なため、遠方に住んでいても売却手続きを進めやすいです。
〈デメリット〉
売却価格が市場価格より低めになる傾向:
不動産会社は、買い取った後にリフォーム費用や再販売のための経費、利益を見込むため、一般的に市場価格の6割~8割程度の買取価格になることが多いです。
◆「買取」が向いているのはこんな人・こんな家
〇とにかく早く家を手放して現金化したい人
〇遠方に住んでいて、売却活動に手間や時間をかけられない人
〇家の傷みが激しい、または築年数が古く、仲介ではなかなか売れそうにない家
〇売却後の契約不適合責任を負いたくない人
〇相続人が複数いて、早く遺産分割を終えたい場合
◆資格「仲介」と「買取」どっちを選ぶべき?比較ポイントまとめ
◆【気づきのポイント】あなたの状況と希望に合わせて最適な方法を選ぶことが重要!
「高く売れるなら仲介がいいけど、早く手放したいなら買取も魅力的だな…」と、それぞれのメリット・デメリットが見えてきたのではないでしょうか。
どちらが良いかは一概には言えません。
あなたが「何を最も重視するか」(価格、スピード、手間など)を明確にし、家の状態や遠方からの関与度合いなどを総合的に考慮して、最適な売却方法を選択することが大切です。
不動産会社に相談する際には、両方の可能性について説明を求め、比較検討すると良いでしょう。
遠方の家、どこに頼む?「地域密着型不動産会社」が頼りになる理由とCM・広告の罠

「相続した家を売るなら、やっぱり有名な大手不動産会社の方が安心かな?」
「テレビCMでよく見る会社なら、きっと高く売ってくれるはず!」
遠方に住んでいると、なおさら知名度のある会社に頼りたくなる気持ちも分かります。
しかし、CMや広告のイメージだけで不動産会社を選んでしまうのは、実は危険な落とし穴があるのです。
そして、そんな時にこそ頼りになるのが、地元の情報に精通した「地域密着型不動産会社」の存在です。
◆CMや広告のイメージだけで不動産会社を選んでいませんか?その危険性
大手だから安心とは限らない:
大手不動産会社には確かにブランド力や広範なネットワークがありますが、実際にあなたの家の売却を担当するのは一人の営業担当者です。
担当者の経験や熱意、あなたとの相性によっては、必ずしも満足のいく結果が得られるとは限りません。
また、遠方の物件の場合、そのエリアに詳しくない担当者がつく可能性もゼロではありません。
広告費はどこから?:
大々的なテレビCMやインターネット広告には莫大な費用がかかっています。
その広告費は、巡り巡って仲介手数料などに反映されている可能性も考慮に入れる必要があります。
イメージと実態のギャップ:
広告はあくまで企業の「良いイメージ」を伝えるものです。
実際のサービス内容や担当者の対応が、必ずしも広告のイメージ通りとは限りません。
「CMでよく見るから」「大手だから」という理由だけで安易に決めてしまうと、後で「こんなはずじゃなかった…」と後悔することになりかねません。
◆なぜ「地域密着型」の不動産会社が相続した家の売却に強いのか?
では、なぜ遠方の相続した家の売却において、「地域密着型」の不動産会社が頼りになるのでしょうか?
その主な理由を4つご紹介します。
理由1:その土地ならではの「リアルな情報網」と「正確な相場観」
地域密着型の不動産会社は、長年そのエリアで営業しているため、インターネット上のデータだけでは分からない「生きた情報」を豊富に持っています。
・その地域の不動産市場の細かな動向、過去の取引事例、将来性
・学区、近隣施設、生活環境、交通事情、さらにはご近所付き合いの様子など、地元住民ならではの詳細な情報
・物件の個別の長所・短所を的確に見抜き、その地域で求められる価格帯を肌感覚で把握しているため、より正確な査定価格が期待できます。
遠方に住むあなたにとっては、こうした現地のリアルな情報は非常に価値があります。
理由2:「地元ならではの買主ネットワーク」と「空き家管理のノウハウ」
・その地域で家を探している購入希望者を既に抱えている(顧客リストを持っている)場合があります。
・地元の他の不動産業者との強固な連携(横のつながり)があり、共同で買主を見つけてくれることもあります。
・遠方の売主が抱える空き家の管理(定期的な巡回、清掃、草むしりなど)に関するノウハウを持っていたり、信頼できる管理業者を紹介してくれたりする場合があります。
これは、家が売れるまでの間の大きな安心材料になります。
理由3:「顔の見える関係」と「親身なサポート」
・社長や経験豊富なベテラン社員が直接担当してくれることが多く、経営者との距離が近い傾向があります。
・あなたの不安や疑問に親身に耳を傾け、遠方からの売却という特殊な状況を理解し、きめ細やかなサポートをしてくれる可能性が高いです。
・何か問題が発生した際にも、フットワーク軽く迅速に対応してくれることが期待できます。
遠方にいるあなたに代わって、現地での対応をスムーズに行ってくれるでしょう。
理由4:相続案件や空き家売却の経験が豊富な場合も
地域によっては、相続や空き家問題に積極的に取り組んでいる地域密着型の不動産会社も増えています。
そうした会社は、相続手続きに関する知識や、前述の「空き家の3000万円控除」の活用サポート、さらには残置物処理業者の紹介など、相続不動産売却特有の課題に対する経験やノウハウを蓄積しています。
◆信頼できる「地域密着型」不動産会社の見つけ方
インターネット検索:
売却したい家の「市区町村名 不動産売却」「地域名 相続 不動産」などのキーワードで検索し、その地域に根ざした会社のホームページを探します。
地元の評判:
もし現地に知人や親戚がいれば、評判の良い不動産会社を尋ねてみるのも有効です。
不動産一括査定サイトの活用:
エリアを指定して査定依頼をすると、その地域に対応している不動産会社(大手も地域密着型も含む)から連絡が来ます。
その中から地域密着型の会社を選び、比較検討するのも一つの方法です。
ただし、サイトからの情報だけで判断せず、必ず個別に会社のホームページを確認したり、直接話を聞いたりすることが重要です。
◆【気づきのポイント】遠方の家だからこそ、現地の「頼れるプロ」の力が必要不可欠!
「大手の方が安心だと思っていたけど、地域密着型の会社にもこんなにメリットがあるんだ!」と、新たな視点が見えてきたのではないでしょうか。
特に、あなたが遠方に住んでいる場合、現地の状況を正確に把握し、あなたの代わりにきめ細かく動いてくれる「その土地のプロフェッショナル」の存在は、何よりも心強い味方になります。
CMや広告の知名度だけに惑わされず、地域に根ざした信頼できる不動産会社を探す努力を惜しまないでください。
相続した家を売却する際の重要注意点7選【遠方オーナー必見】

相続した家の売却は、通常の不動産売却とは異なる特有の注意点が多くあります。
特に遠方にお住まいの場合、見落としがちなポイントもありますので、事前にしっかりと確認しておきましょう。
注意点1:相続財産全体の把握と他の相続人との円滑な連携
家だけでなく、預貯金や有価証券など、他の相続財産がどれくらいあるのかを把握し、相続税の申告が必要かどうかを確認しましょう。
また、相続人が複数いる場合は、売却方針や価格、手続きの進め方について、常に情報を共有し、円満なコミュニケーションを心がけることがトラブル回避の鍵です。
注意点2:家の状態確認と「告知義務」の徹底(遠方だからこそ慎重に)
売却する家について、雨漏り、シロアリ被害、給排水管の故障、過去の事件・事故など、買主の購入判断に影響を与える可能性のある重要な事実(心理的瑕疵も含む)は、必ず不動産会社や買主に伝えなければなりません(告知義務)。
遠方に住んでいると、家の細かな状態を把握しきれていない場合もありますが、知っていることは正直に伝える誠実な姿勢が重要です。
不明な点は不動産会社に調査を依頼することも検討しましょう。
注意点3:「境界の確認」と必要に応じた測量
土地の境界が曖昧だと、隣接地の所有者との間でトラブルになったり、買主が見つかりにくくなったりすることがあります。
法務局で公図や地積測量図を取得して確認し、もし境界標がなかったり、境界が不明確だったりする場合は、土地家屋調査士に依頼して境界確定測量を行うことを検討しましょう。
注意点4:家の中の「残置物」の処理問題と解決策
被相続人が残した家具や衣類、生活用品などの「残置物」の処理は、相続不動産売却でよくある悩みの種です。遠方からの場合、自分で片付けるのは非常に大変です。
・相続人間で形見分けや必要なものを整理する。
・不用品回収業者や遺品整理業者に依頼する(費用が発生します)。
・不動産会社によっては、提携業者を紹介してくれたり、買取の場合は残置物ごと買い取ってくれたりする場合もあります。
売買契約までに処理方法を決めておく必要があります。
注意点5:売却にかかる「税金」の種類と確定申告の準備
家の売却によって利益(譲渡所得)が出た場合、譲渡所得税と住民税がかかります。
前述の「空き家の3000万円控除」などの特例が使えるかどうかも含め、事前に税額のシミュレーションをしておくと安心です。
また、売買契約書には印紙税、登記手続きには登録免許税などもかかります。
売却した翌年には確定申告が必要になることも忘れないようにしましょう。
注意点6:「契約不適合責任(旧:瑕疵担保責任)」のリスクと対策
売却した家に、契約時には分からなかった欠陥(雨漏り、シロアリなど)が後から見つかった場合、売主が買主に対して修繕費用や損害賠償などの責任を負うのが「契約不適合責任」です。
この責任は、個人が売主の場合、通常、引渡しから一定期間(2~3ヶ月程度が多い)負うことになります。
対策としては、事前にホームインスペクション(住宅診断)を受けて家の状態を把握しておく、契約書で責任範囲や期間を明確にしておく、あるいは前述の通り「買取」を選択して責任を免責してもらう、といった方法があります。
注意点7:遠方からの売却に必要な書類準備と連絡体制の確保
売却手続きには、実印、印鑑証明書、住民票、固定資産評価証明書など、様々な書類が必要になります。
遠方の場合、これらの書類の取得や郵送に時間がかかることもあるため、早めに準備を始めましょう。
また、不動産会社や買主との連絡をスムーズに行うために、電話番号やメールアドレスを正確に伝え、定期的に連絡が取れる体制を整えておくことが大切です。
◆【気づきのポイント】事前の準備と専門家への相談が、トラブル回避の鍵!
「相続した家の売却って、普通の売却より気をつけることが多いんだな…」と感じたかもしれません。
特に遠方からの売却は、物理的な距離がある分、見落としや誤解が生じやすいものです。
だからこそ、早め早めの準備と、分からないことは一人で抱え込まずに不動産会社や司法書士、税理士といった専門家に積極的に相談することが、スムーズでトラブルのない売却を実現するための最も重要なポイントと言えるでしょう。
まとめ:遠方の相続した家も、ポイントを押さえればスムーズに売却できる!
遠方にある実家を相続し、その売却を考えるというのは、多くの不安や課題が伴うものです。しかし、この記事で解説してきたポイントを一つひとつ押さえていけば、きっと道は開けます。
相続不動産売却を成功させるための重要なポイントを再確認しましょう。
・まずは相続登記を確実に済ませ、家の現状を把握すること。
・節税の大きなチャンスである「空き家の3000万円控除」の適用可否をしっかり確認すること。
・あなたの状況や希望に合わせて、「仲介」と「買取」のどちらが最適かを冷静に判断すること。
・ CMや広告のイメージだけに頼らず、遠方の家の売却に本当に強い「地域密着型の不動産会社」を見つけ出すこと。
・相続不動産売却特有の注意点を理解し、事前準備と専門家への相談を怠らないこと。
遠くに住んでいるからといって、諦める必要は全くありません。
むしろ、遠方だからこそ、信頼できる不動産会社の担当者という「現地のパートナー」を見つけることができれば、あなたは安心して売却活動を任せることができます。
管理が大変だと感じているその家も、次の誰かにとっては新たな生活の舞台となるかもしれません。
前向きな気持ちで、この記事で得た「気づき」を活かし、一歩を踏み出してみてください。
あなたの相続した家の売却が、スムーズに、そして納得のいく形で進むことを心から応援しています!