- この記事のハイライト
- ●注意点①相続後の不動産売却は、通常の売却に比べてこなさなければならない手続きが多い
- ●注意点②媒介契約には3種類あるが、「専任」を選ぶのがおすすめ
- ●注意点③売却方法には「仲介」と「買取」があるため、物件に応じて慎重に検討する
相続後の不動産売却では、具体的にどのようなことをしたら良いのかわからず、不安に思う方もいらっしゃるのではないでしょうか。
そこで今回は、相続した不動産の売却における注意点についてご紹介します。
新潟市中央区や東区で不動産売却を検討中の方は、遺産の分割方法や相続後の売却の流れ、媒介契約の種類や売却方法を把握して、ぜひ今後の参考にしてみてください。
相続後の不動産売却の注意点①通常の売却とは手順が異なる
相続後の不動産売却における1つめの注意点は、通常の売却とは手順が異なることです。
また、相続人の数によって遺産の分割方法も変わります。
それでは、遺産の分割方法と不動産売却の流れを見ていきましょう。
相続人の数による遺産の分割方法は?
遺産の分割方法は、相続人が「1人」または「複数人」のどちらかによって異なります。
それぞれのケースによる分割方法は、以下のとおりです。
相続人が1人の場合
相続人が1人の場合の分割方法は、「単独相続」と「現物分割」の2パターンがあります。
単独相続とは、法定相続人がもともと1人しかいない場合やほかの法定相続人が相続放棄した場合に、1人の相続人がすべての遺産を相続する方法です。
一方、現物分割とは、複数人の相続人が遺産をそのままの形で相続する方法を指します。
たとえば、A・Bの2人の子が、「不動産」はA・「預貯金」はBというように、それぞれに分配するのです。
相続人が複数人の場合
相続人が複数人で、現物分割が難しい場合は、「換価分割」という方法があります。
換価分割とは、相続した不動産を売却し、換金してから分配する方法です。
現物分割では遺産を公平に分けることが難しく、トラブルの原因になることもあるため、相続人が複数の場合は換価分割をおすすめします。
相続した不動産を売却するときの流れ
相続した不動産を売却する場合は、通常の売却とは異なり、こなさなければならないステップが多くなることが注意点として挙げられます。
相続した不動産を売却するときの流れは、下記の3ステップです。
ただし、単独相続の場合、ステップ①は不要です。
ステップ①遺産分割協議
遺産分割協議とは、どのように遺産を分配するのか、相続人同士で話し合うことです。
遺産分割協議で決まった内容は、遺産分割協議書に記載しておきましょう。
相続人全員が同意しなければ不動産売却もできないため、協議が進まない場合は、第三者に介入してもらう場合もあります。
ステップ②相続登記の手続き
相続登記とは、被相続人(亡くなった方)名義の不動産の所有者を変更する手続きのことです。
複数人の相続人がいる場合は、代表者を決めておこないましょう。
ステップ③不動産売却
ここからは、通常の売却と同じような流れで売却活動をおこない、買主が見つかったら売買契約を結びます。
さらに、換価分割の場合は4つめのステップとして、売却金を遺産分割協議で決められたとおりに分配しなければなりません。
相続した不動産を売却したときの控除・特例制度
相続した不動産を売却したときに利用できる控除・特例制度は、主に以下の2つです。
3,000万円特別控除
不動産を売却して得た利益は譲渡所得と呼ばれ、課税対象です。
この譲渡所得に決められた税率をかけた金額が譲渡所得税で、個別に確定申告の必要があります。
譲渡所得は売買価格から経費(取得費・譲渡費用)を差し引くと算出できますが、一定の要件を満たすと、ここからさらに3,000万円が控除される制度です。
取得費加算の特例
相続税を納める必要がある場合、相続税の一定の金額を取得費(不動産を購入したときにかかった費用)に加算できる制度です。
ただし、3,000万円特別控除と取得費加算の特例は併用できません。
また、これらの制度が活用できるのは、相続から3年以内ということも注意点です。
そのため、売却を考えている場合は早めに行動することをおすすめします。
相続後の不動産売却の注意点②媒介契約は「専任」が良い
相続後の不動産売却における2つめの注意点は、媒介契約は「専任」を選択したほうが良いということです。
そもそも媒介契約とは、売却のサポートを依頼する不動産会社と売却活動を始める前に結ぶ契約のことですが、3つの種類から選択できます。
わかりやすいように、下記にそれぞれの特徴を列挙しますので、参考にしてください。
専属専任媒介契約
- 1社の不動産会社のみと契約
- 不動産会社が見つけた買主のみと取引が可能
- 不動産会社によるレインズ(不動産流通機構)への登録義務が媒介契約成立後5日以内
- 不動産会社による売却活動の報告義務が1週間に1回以上
- 契約の有効期限が最大で3か月
専属専任媒介契約のメリットは、売却活動の報告義務や契約に有効期限があるため、スピーディーに売却しやすいことです。
専任媒介契約
- 1社の不動産会社のみと契約
- 自分で探した買主とも取引が可能
- 不動産会社によるレインズへの登録義務が媒介契約成立後7日以内
- 不動産会社による売却活動の報告義務が2週間に1回以上
専任媒介契約のメリットは、買主の目星がついているものの、より良い条件の買主も探したい場合に利用しやすいことです。
報告義務もあるため、専属専任媒介契約と同じように、スピーディーに売却できることもメリットです。
一般媒介契約
- 複数の不動産会社と契約が可能
- 契約に有効期限がない
- 不動産会社によるレインズへの登録義務がない
- 不動産会社による売却活動の報告義務がない
広く買主を探せることはメリットですが、安定性の低い契約となるため、「専任」の媒介契約に比べると売却に時間がかかる可能性があります。
とくに相続した空き家の売却では、放火や害獣、不法侵入などのリスクが高いので、スピードを重視したいところです。
そのため、媒介契約の種類は「専属専任媒介契約」または「専任媒介契約」を選択したほうが良いでしょう。
相続後の不動産売却の注意点③売る方法は「仲介」か「買取」
相続後の不動産売却における3つめの注意点は、売る方法は「仲介」と「買取」の2種類から選択できるということです。
不動産売却は「仲介」でおこなわれるのが一般的ですが、「買取」という選択肢もあります。
買取とは、第三者の買主を探さずに、不動産会社と直接取引することです。
そのため、「買取」を選択した場合は、媒介契約は結びません。
それぞれの売却方法のメリット・デメリットは、下記のとおりです。
「仲介」のメリット・デメリット
仲介のメリットは、買取よりも高値で売却できることです。
しかし、買主を探す手間や時間がかかることはデメリットです。
また、不動産会社への売却の成功報酬である仲介手数料がかかることも注意点と言えるでしょう。
「買取」のメリット・デメリット
買取のメリットは、買主を探す手間がかからず、売却・換金までがスピーディーなことです。
しかし、仲介による売却よりも売却価格が低くなってしまうことは注意点です。
これらを踏まえて、売却価格を重視する場合は「仲介」、早く換金したい場合は「買取」を選択すると良いでしょう。
また、立地の良い物件は「仲介」、築年数の古い物件は「買取」が向いていると言えます。
売却方法について個人での判断が難しい場合は、専門知識の豊富なにいがたの不動産までご相談ください。
お客様のご希望に沿って誠実にサポートいたします。