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【2025年最新版】契約不適合責任とは?売主・買主が知るべき全知識|瑕疵担保責任との違いも解説

不動産売買

富澤 法和

筆者 富澤 法和

不動産キャリア7年

にいがたの不動産は新潟の富動産を目指します!
私たちは「負動産」という言葉が好きではありません。
にいがたの不動産を通して不動産を売るも買うも「富動産」であってほしいと願っています。


不動産の売買は、人生における一大イベントです。
しかし、その大きな取引の裏には、引き渡し後に発覚するかもしれない建物の不具合という、大きな不安が潜んでいます。

こんにちは。
新潟の不動産売買専門店「にいがたの不動産」の富澤です!

「売った後に、雨漏りを指摘されたらどうしよう…」
「中古住宅を買ったけど、もしシロアリ被害が見つかったら…」

こうした売買後のトラブルを防ぎ、当事者間の公平性を保つための重要なルールが「契約不適合責任」です。

これは、2020年4月の民法改正で、かつての「瑕疵担保責任(かしたんぽせきにん)」から大きく変わった制度であり、特に買主の権利が手厚くなりました。

不動産を売る人も、買う人も、このルールを知らないまま取引を進めるのは非常に危険です。

この記事では、不動産売買に関わるすべての方に向けて、以下の点を徹底的に解説します。

 〇  契約不適合責任の基本(旧:瑕疵担保責任との決定的違い)
 〇【売主向け】知らないと破綻しかねないリスクと、身を守るための対策
 〇【買主向け】後悔しないために!権利を正しく主張する方法

この記事を最後まで読めば、契約不適合責任の全体像を正確に理解し、安心して取引に臨むための具体的な知識を身につけることができます。


契約不適合責任とは?すべての基本を5分で理解



一言でいうと「契約内容と違うものを売ってはいけない」ルール

契約不適合責任とは、非常にシンプルに言えば、「売買契約の内容と異なるものを引き渡した場合に、売主が買主に対して負う責任」のことです。

例えば、「雨漏りのない家」という内容で契約したのに、引き渡し後に雨漏りが発覚した場合、それは「契約内容に適合しない」ため、売主は責任を負わなければなりません。

ポイントは、「契約内容に適合しているか否か」が判断基準であるという点です。

【超重要】「瑕疵担保責任」から何が変わったのか?

2020年4月以前は、「瑕疵担保責任」というルールでした。
この二つは似ているようで、実は買主保護の観点から大きな違いがあります。



変更点のポイント

1.  基準が「欠陥」から「契約内容」へ
旧制度では「隠れた瑕疵(買主が通常気づけない欠陥)」が対象でした。
新制度では、欠陥の有無だけでなく、契約書や重要事項説明書に書かれた「約束事」と違うかどうかが問われます。例えば「A社製のシステムキッチン」と契約したのにB社製が付いていれば、それも契約不適合になります。

2.  買主の権利が大幅に拡充された
これが最大の変更点です。
旧制度では「契約解除」か「損害賠償」しか選択肢がありませんでしたが、新制度ではまず「追完請求(ちゃんと直してください)」を求めることができるようになりました。

売主が修理に応じない場合には「代金減額請求(値下げしてください)」も可能です。
これにより、買主はより柔軟な解決策を選べるようになりました。

3.  期間のルールが明確化
買主は、不適合を知ってから1年以内に売主にその旨を「通知」すれば、権利が保全されることになりました。(権利の行使自体はその後でも可能)

この民法改正により、売主は以前よりも重い責任を負うことになり、買主はより手厚く保護されるようになったのです。

【売主向け】契約不適合責任のリスクと完全防御マニュアル



「古い家だから、何かしら不具合はあるだろう…」売主様にとって、この責任は大きなプレッシャーです。
しかし、正しく理解し、対策を講じることでリスクは大幅に軽減できます。

「契約不適合」と判断される4つのケース(具体例)

契約不適合は、主に以下の4つの種類に分類されます。

1.  品質に関する不適合(物理的瑕疵)
最も一般的なケースです。建物や土地そのものに物理的な問題がある場合です。

・雨漏り、屋根のひび割れ
・シロアリの被害
・給排水管の故障・漏水
・建物の重大な傾き、基礎のひび割れ
・土地の土壌汚染

2.  種類・数量に関する不適合
契約内容と引き渡されたモノの種類や数量が違う場合です。

・「土地100㎡」で契約したのに、実測したら90㎡しかなかった。
・契約と違うメーカーの設備が設置されていた。

3.  権利に関する不適合(法律的瑕疵)
不動産の権利に法的な問題があり、買主が完全な所有権を行使できない場合です。

・他人の抵当権が設定されたままだった。
・敷地の一部が他人の所有地だった。
・建築基準法に違反しており、再建築ができない土地だった。

4.  心理的瑕疵
物件そのものに問題はないものの、住む上で心理的な抵抗を感じるような事実がある場合です。

・過去にその物件で自殺や殺人事件があった。
・近隣に反社会的勢力の事務所や、著しい騒音・悪臭を発生させる施設がある。

これらの不適合が見つかった場合、売主は次の4つの責任を問われる可能性があります。

売主が負うことになる4つの重い責任

1. 追完請求(修理の義務)
買主から「雨漏りを直してください」「シロアリを駆除してください」といった修理の要求です。売主はこの請求に応じる義務があります。

2.  代金減額請求
売主が修理に応じない場合や、修理が不可能な場合に、買主は売買代金の減額を請求できます。

3.  契約解除
不適合が重大で、修理もできず、契約の目的(その家に住むことなど)を達成できない場合に、買主は契約の解除を求めることができます。契約は白紙に戻り、売主は受け取った代金を全額返還しなければなりません。

4.  損害賠償請求
不適合が原因で買主に損害が発生した場合(例:雨漏りで家財が濡れた、仮住まいの費用がかかったなど)、その損害を賠償するよう請求される可能性があります。

最大のリスク対策は「正直な情報開示」にあり!

では、売主はどうすればこれらのリスクから身を守れるのでしょうか。答えは一つです。
「知っている不具合や懸念点は、すべて正直に買主に伝えること」

不動産売買では「物件状況確認書(告知書)」という書類を作成します。
これは、物件の状態について売主が知っている情報を買主に告知するための非常に重要な書類です。

【物件状況確認書の注意点】

 正直に記入する: 雨漏りの修繕歴、シロアリ駆除の履歴など、マイナス情報こそ隠さず記入します。
 曖昧にしない:「たぶん大丈夫」「昔、雨漏りがあったかもしれない」といった曖昧な記憶も正直に伝えます。
 安易に「不明」としない:よく分からないからと「不明」にチェックするのは楽ですが、もし簡単に調査すれば分かったはずのこと(例:管理規約の確認)を怠った場合、責任を問われる可能性があります。

事前にすべての情報を開示し、「この雨漏りの修繕歴を了承した上で、この価格で購入します」と契約書に明記すれば、その点については契約不適合責任を問われることはありません。正直さが、売主を守る最強の盾になるのです。

責任期間をコントロールする「特約」という武器

民法の原則では、買主の権利は引き渡しから10年間(消滅時効)存続します。
しかし、これでは売主の負担が大きすぎるため、個人間売買では契約不適合責任を負う期間を短縮する特約を設けるのが一般的です。

 一般的な特約:「売主は、引渡しから3ヶ月以内に通知を受けた契約不適合についてのみ責任を負う」など。

この期間を設けることで、売主はいつまでも続く責任の不安から解放されます。
ただし、「契約不適合責任を一切免責する」という特約も可能ですが、万能ではありません。
もし売主が不具合を知っていたにもかかわらず、それを告げずに免責特約を付けた場合、その特約は無効となります。悪意は保護されないのです。

究極の安心策「既存住宅売買瑕疵保険」とは?

どうしても不安が残る場合、「既存住宅売買瑕疵保険」への加入を検討するのも一つの手です。

これは、専門の検査機関が建物を検査し、合格すれば加入できる保険です。
万が一、引き渡し後に契約不適合(保険対象の瑕疵)が見つかった場合、その補修費用などが保険金から支払われます。
保険料や検査費用はかかりますが、売主・買主双方にとって大きな安心材料となり、円滑な取引につながります。


【買主向け】あなたの権利を守る!契約不適合責任の活用術



ここからは買主の視点です。契約不適合責任は、中古住宅を安心して購入するための、あなたに与えられた強力な権利です。正しく理解し、活用しましょう。

買主に認められた4つの強力な権利

売主の責任の裏返しですが、買主のあなたには以下の4つの権利が認められています。

1.  追完請求権: まずは「完全に直してもらう」権利です。修理を第一に求めます。
2.  代金減額請求権: 修理してもらえない、または修理不能な場合に「代金をまけてもらう」権利です。
3.  契約解除権: 不具合がひどすぎて住めないなど、契約目的が達成できない場合の最終手段です。
4.  損害賠償請求権: 不具合によって受けた損害の補償を求める権利です。

不適合を発見!その時に取るべき3つのステップ

引き渡し後に「これは契約と違うぞ!」という不適合を見つけたら、冷静に以下の手順で進めましょう。

 Step1:証拠を保全する
まずは証拠を残すことが最重要です。雨漏りのシミ、壁のひび割れ、故障した設備などを、日付の分かる形で写真や動画に撮影しましょう。
可能であれば、建築士などの専門家に見てもらい、調査報告書を作成してもらうと、より客観的で強力な証拠になります。

 Step2:期間内に売主(と不動産会社)へ通知する
不適合の事実を知ってから1年以内に、売主に対してその内容を通知しなければなりません。
電話での口頭連絡だけでは「言った・言わない」のトラブルになるため、必ず内容証明郵便など、記録が残る形で通知しましょう。
通知書には、どの部分が、どのように契約内容と不適合なのかを具体的に記載します。同時に、仲介した不動産会社にも連絡し、対応を協議します。

 Step3:話し合いと請求
通知後、まずは売主に対して追完(修理)を求め、話し合いを開始します。ここで円満に解決するのがベストです。もし売主が話し合いや修理に応じない場合は、代金減額請求や、場合によっては契約解除、損害賠償請求といった法的な手続きを検討することになります。

買主の最大の防御は「契約前の徹底チェック」

権利を主張することも大切ですが、それ以上に重要なのは、そもそもトラブルに巻き込まれないようにすることです。買主にとって最大の防御策は、契約前の入念なチェックに尽きます。

 内覧時のチェックポイント:

・天井や壁の隅に、雨染みや不自然な補修跡はないか?
・床はきしまないか?ビー玉などを置いて傾きをチェック。
・点検口(床下、天井裏)を開けて、カビや水濡れ、シロアリの痕跡がないか確認する。
・水道を流してみて、水の出や排水はスムーズか?
・売主や不動産会社に、過去の修繕歴などをしつこいぐらい質問する。

 書類のチェックポイント:

 ・売買契約書
 ・重要事項説明書
 ・物件状況確認書
 ・付帯設備表

これらの書類を隅から隅まで読み込み、少しでも疑問や不明な点があれば、必ず契約前に質問し、回答を書面でもらうようにしましょう。
「プロに任せているから大丈夫」と油断せず、自分の目で確かめる姿勢が何よりも大切です。

「現状有姿」の言葉に騙されないで!

中古物件の契約書には、よく「現状有姿(げんじょうゆうし)」という言葉が記載されています。
「現状のまま引き渡します」という意味ですが、これは契約不適合責任を免除する魔法の言葉ではありません。

あくまで「引き渡し時点での状態で売買します」という確認であり、もし引き渡し後に契約内容と異なる「隠れた不適合」が見つかれば、当然、契約不適合責任を追及できます。
この言葉に惑わされず、おかしいと思ったことはしっかりと主張しましょう。

まとめ:円満な不動産取引は、正直な情報開示と入念なチェックから



契約不適合責任は、売主にとっては重い責任ですが、買主にとっては安心して取引するための重要なセーフティーネットです。

この制度は、どちらか一方を困らせるためのものではありません。物件の状態をオープンにし、お互いが納得した上で公正な取引を行うための、いわば「交通ルール」です。

売主様へ: あなたを守る最大の武器は「誠実さ」です。知っていることはすべて伝え、物件状況確認書を正直に作成することが、結果的にあなたを未来のトラブルから守ります。

買主様へ: あなたを守る最大の武器は「探究心」です。専門家任せにせず、自分の目で見て、書類を読み込み、疑問をぶつけることが、後悔のない購入につながります。

不動産売買は高額な取引であり、不安はつきものです。契約不適合責任について正しく理解し、仲介してくれる不動産会社と密に連携を取りながら、売主も買主も双方が気持ちの良い取引を実現させましょう。



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